This article is available in Japanese

We publish our articles in Japanese first, so the text below is shown in Japanese. Ask our team if you would like to talk it through in English.

Ask our team

Health · #heater

サウナは「熱ければいい」わけではない。健康的で快適なサウナ環境とは

7 min readSaunature 江上

近年、サウナはリラックスや気分転換だけでなく、「しっかり汗をかく場所」としても利用されています。

その中で、よく耳にするのが、

  • 「温度が高い方が汗をかける」
  • 「90℃くらいないとサウナに入った気がしない」
  • 「熱ければ熱いほど良いサウナ」

という考え方です。

確かに、温度はサウナを構成する重要な要素のひとつです。

しかし、サウナは単純に温度を上げれば良いというものではありません。

そもそも私たちが汗をかくのはなぜなのか。

そして、身体にとって心地よいサウナ環境とはどのようなものなのか。

今回は身体の仕組みから、「温度」「湿度」「呼吸」「換気」を含めたサウナ環境について考えていきます。

01そもそも、人はなぜ汗をかくのか

「暑いから汗が出る」

もちろん間違いではありません。

しかし、身体の中ではもう少し複雑なことが起こっています。

人間には、体温を一定の範囲に保とうとする「体温調節機能」が備わっています。

暑い環境に入ったり運動をしたりして、身体の内部や皮膚の温度が上昇すると、その情報が脳の視床下部などへ伝えられます。

そして身体が熱を逃がす必要があると判断すると、交感神経を介して汗腺へ指令が送られます。

その際に重要な役割を持つ神経伝達物質が「アセチルコリン」です。

アセチルコリンによって汗腺が刺激され、皮膚表面へ汗が分泌されます。

そして汗が蒸発するときに身体の熱が奪われ、体温を下げようとします。

つまり発汗は、

「身体が熱環境を感知し、それに対応するために起こしている体温調節反応」

なのです。

02「温度が高い=良いサウナ」ではない

サウナ室の温度を上げれば、身体への熱負荷も大きくなります。

しかし、

熱ければ熱いほど身体に良い、というわけではありません。

サウナでは大量の汗をかきます。

研究では、サウナ環境における発汗量は条件によって1時間あたり0.6〜1kg程度に達することも報告されています。

一方、サウナの熱環境では、汗をかいていても身体が受け取るすべての熱を放散できるわけではなく、深部体温は徐々に上昇していきます。

だからこそ、

  • 「もっと熱く」
  • 「もっと長く」
  • 「我慢できるところまで」

という入り方をする必要はありません。

めまいや気分不良など身体に異変を感じた場合は、我慢せずサウナ室から出ることが大切です。

目指すべきなのは、

「どこまで熱いサウナをつくれるか」ではなく、「どれだけ心地よい熱環境をつくれるか」。

私たちはここが非常に重要だと考えています。

03サウナで呼吸が苦しくなるのは当たり前?

高温のサウナに入ったとき、

  • 「鼻から息を吸うと熱い」
  • 「鼻や喉がヒリヒリする」
  • 「いつの間にか口呼吸になっている」
  • 「なんとなく息苦しい」

と感じた経験はありませんか?

「サウナだからこれくらい普通」

と思ってしまいがちですが、サウナは苦しさを我慢する場所ではありません。

もちろん、サウナの熱環境によって呼吸や循環など身体には変化が起こります。

だからこそ、呼吸することすらつらいほど室温を高くすることを、良いサウナの条件にする必要はありません。

むしろ、

無理なく自然に呼吸しながら、身体全体で心地よく熱を感じられること。

これも快適なサウナ環境を考えるひとつの基準です。

04鼻呼吸と一酸化窒素(NO)の関係

ここで少し、「鼻呼吸」について考えてみましょう。

私たちの鼻腔や副鼻腔では、一酸化窒素(NO)が生成されています。

一酸化窒素という名前だけを見ると身体に悪そうに感じるかもしれませんが、NOは私たちの身体の中でも生成され、血管の調節などに関わっている物質です。

鼻から息を吸うことで、鼻腔・副鼻腔由来のNOを含んだ空気が気道を通って肺へ運ばれます。

NOには肺血管を拡張する作用があり、肺の血流分布やガス交換に関係することが研究されています。

そのため鼻呼吸は、単に「鼻から空気を吸っている」だけではなく、鼻が本来持っている生理的な機能を活用した呼吸でもあります。

ただし、

  • 「鼻呼吸をすれば脳への酸素供給量が大幅に増える」
  • 「サウナで口呼吸になると脳が酸欠になる」

というところまで単純に結びつけることはできません。

それでも、

自然に鼻から呼吸できる程度の心地よい環境をつくる

という視点は、快適なサウナを考えるうえで大切ではないでしょうか。

05サウナの「室温」と「体感する熱さ」は違う

では、温度を下げたら物足りないサウナになってしまうのでしょうか。

ここで知っておきたいのが、

「サウナ室の温度」と「身体が感じる熱さ」は同じではない

ということです。

サウナの熱環境には、

  • 室温
  • 湿度
  • 空気の流れ
  • 輻射熱
  • 座る位置
  • ロウリュによる蒸気

など、さまざまな要素が関係します。

例えば、同じ80℃のサウナでも、カラカラに乾燥した状態とロウリュをした直後では、身体が感じる熱は大きく変わります。

ロウリュによって発生した蒸気が身体の周囲に届くことで、熱の伝わり方が変わるからです。

つまり、

満足感のあるサウナをつくるために、室温だけを上げ続ける必要はありません。

温度と湿度を組み合わせながら、心地よい熱をつくる。

これが重要です。

06心地よい熱をつくるロウリュとサウナストーン

そこで重要になるのが、サウナヒーターの選定です。

サウナヒーターを選ぶとき、

「何℃まで上がりますか?」

という部分だけに注目してしまうことがあります。

しかし、ロウリュを楽しむサウナであれば、

  • サウナ室の容積
  • ヒーターの出力
  • 断熱性能
  • ロウリュへの対応
  • サウナストーンの量
  • 蒸気の発生や広がり方

などを総合的に考える必要があります。

特に私たちが大切にしているのが、サウナストーンです。

十分に蓄熱されたストーンへ水をかけることで、水が蒸気へと変化し、ロウリュ特有の熱がサウナ室へ広がっていきます。

ストーンには熱を蓄える役割があるため、ストーン量や配置、ヒーターの構造はロウリュを考えるうえで重要な要素です。

単純に空気を高温にするだけではなく、

ストーンにしっかり熱を蓄え、ロウリュによって蒸気をつくり、その熱を身体へ届ける。

こうした考え方でヒーターを選ぶことで、室温の数字だけに頼らないサウナ環境をつくることができます。

07快適なサウナに欠かせない「換気と吸気」

そして、もうひとつ見落とされやすいのが、

サウナ室の換気と吸気です。

サウナ室は、熱を外へ逃がさないために断熱性・気密性を高めてつくられます。

しかし、気密性を高めるのであれば、それと同時に「空気をどう取り入れ、どう排出するのか」を考えなければなりません。

せっかく良いヒーターを設置しても、サウナ室内の空気環境が悪ければ、快適なサウナにはなりません。

サウナの換気では、

新鮮な空気を取り込む「給気」と、室内の空気を外へ出す「排気」

の両方を考える必要があります。

どこから空気を入れて、どこから出すのか。

そして、その空気がサウナ室内をどのように流れるのか。

ヒーターだけではなく、こうした空気の流れまで含めて設計することで、人が過ごしやすいサウナ環境へ近づいていきます。

08サウナ使用後の換気も大切

換気が重要なのは、サウナに入っている間だけではありません。

ロウリュを行ったサウナ室には、使用後も熱や湿気が残ります。

木材を多く使用するサウナだからこそ、使用後に室内を適切に換気し、乾燥させることも重要です。

そのため私たちは、サウナ使用中と使用後、それぞれの状態を考えた換気設備をおすすめしています。

例えば、給気・排気を適切に設計し、必要に応じて機械換気を組み合わせる。

使用中は人が快適に過ごせる空気環境をつくり、使用後は湿った空気を排出して室内を乾燥させる。

「人にとって快適な環境」と「サウナ室を長く使うための環境」の両方を考える。

これもサウナづくりでは非常に重要なポイントです。

09快適なサウナをつくるために

良いサウナを考えるとき、

「90℃まで上がるか」

というひとつの数字だけを見るのではなく、

その空間で、人がどのように熱を感じ、どのように呼吸し、どのように汗をかくのか。

そこまで考えることが大切です。

私たちが快適なサウナづくりで特に大切だと考えているのは、

① 温度

② 湿度

③ 換気

この3つのバランスです。

そして、この環境をつくるうえで重要になる設備が、

サウナ室に適したヒーターと、適切な給排気・換気設備です。

ヒーターは単純に「室温を高くするための設備」と考えるのではなく、十分なストーンを温め、ロウリュによって心地よい熱と蒸気を生み出すものとして考える。

換気設備は、単純に「熱気を外へ逃がすもの」ではなく、必要な空気を取り込み、サウナ室内に適切な空気の流れをつくるものとして考える。

この2つをサウナ室の広さや構造に合わせて設計することで、

温度計の数字に頼らなくても、しっかり熱を感じられるサウナ

を目指すことができます。

10まとめ

サウナは、

「熱ければ熱いほど良い」わけではありません。

私たちがサウナで汗をかくのは、身体が熱を感知し、体温を調節しようとする生理的な反応です。

だからこそ、必要以上に室温を高くして身体に我慢を強いることよりも、

自然に呼吸ができ、心地よく熱を感じ、無理なく汗をかける環境をつくること。

その方が、私たちが考える「良いサウナ」に近いと思います。

そして、そのために重要なのが、

温度だけではなく、湿度と換気まで含めてサウナを設計すること。

室温だけを追い求めるのではなく、ロウリュを活かせるヒーターと十分なサウナストーンを選ぶ。

適切な給気と排気によって、サウナ室内に空気の流れをつくる。

使用後には湿気を排出し、サウナ室を乾燥させる。

「何℃まで上がるサウナか」ではなく、「どんな環境で過ごせるサウナか」。

これからサウナをつくる方には、ぜひそんな視点からヒーターや換気設備を選んでいただきたいと思います。

Tagsheater
Share

Author

Saunature 江上

Saunature team

Promoting health of body and mind and a richer lifestyle through authentic sauna experiences, and sharing what makes sauna special across Japan.

Related services

We plan temperature, humidity and ventilation together

Heater choice, air supply and exhaust planning and sauna room design are what we help with.

Related articles

Keep reading

Back to the journal

Get started

Planning a sauna after reading this?

Cabins, heaters, ventilation and running a facility. Look through our installations and ask us anything.